コラム
家具を動かした時。机や棚の上に置いてあった物が落ちてしまった時。フローリングについてしまった凹みや傷……実は、自力で直す事もできるのです。
今回は、その方法をご紹介します。
一口に傷と言っても、原因によって付き方も深さも違うでしょう。机・タンスなどの重たい家具を動かした時、「ギギギ…」という音が鳴ってしまえばもう手遅れ。見れば、フローリングにはしっかりと深い傷が刻み込まれています。他にも、ボールペンの先などが何かの拍子に床を削ってしまう事もあるでしょう。この場合は、削ると言っても精々1ミリか2ミリ程度の浅い傷です。
当然ながら、深い傷の方が浅い傷よりも厄介です。対処を遅らせて、傷の中にホコリなどが溜まってしまえば更に面倒な事になりかねません。ホコリだけでなく、コップからこぼれた水が染み込んで、それを放置してしまうと最悪カビが生えてくる事も……。これは浅い傷にも言える事で、傷付いてしまった時は「しまった」と思って終わりではなく、やはりきちんと補修作業をやりたい所です。
フローリングに付いた傷。これが浅い場合は、ホームセンターなどで売っているDIY用の補修材を使う事で解決できます。深い場合も、基本はこれと同じですが、こちらの場合はまず穴埋め素材を使って傷を埋める必要があります。傷を埋めた穴埋め素材の上から補修材を使う事で、かなり綺麗に仕上げる事ができるのです。
他にも、補修材を使うほどでもない極小さな傷の場合は、水分を使って直すという方法もあります。濡らしたタオルを当て、更に上からアイロンをかけると、木が膨張して凹みを埋める事ができるのだとか。ただし、この方法は白木のフローリング(無垢材)に向いているもので、合成素材(ウレタン塗装が施されている物)には向かず、これに濡れタオルを使ってしまった場合は逆に塗装が剥げる・白いシミができるなどの原因になってしまいます。キズだけでなく、フローリングの素材にも合わせた補修方法を選択する事が大事ということです。
いざ大きな傷を付けてしまった時などに慌てないよう、普段のうちから自宅のフローリング素材を調べておくと、尚良いでしょう。
景観も損ねてしまうフローリングの傷。そもそも傷を付けない事がベストであるのは間違いないですが、不注意というものは、気付いたらやってしまっているから不注意なのです。
傷を付けてしまった時に必要なのは、フローリングの素材を把握している事と、それに合わせた適切な処置。そして何より冷静な頭です。特に借家の場合は、傷を付けてしまうと「どうしよう」と軽くパニック状態になってしまう人も居るのではと思います。そんな時は「これくらいなら自力で直せる、大丈夫」という方に思考をもっていきましょう。きっとひとまず冷静になれます。水分で直せるタイプのフローリングならばすぐさま水回りへ、補修材が必要なタイプもしくは傷ならば、近在のホームセンターへ行きましょう。
自力で傷を直した暁には、安堵と共に不思議な達成感を得られる事と思います。