コラム
当初はツルツルだった床も、時と共に光沢が落ちてくるもの。ツルツルな床と、その光沢を取り戻すアイテムがワックスです。
けれど、業者に頼むのも……という方も中にはいらっしゃるかと思います。そういった方は、自らワックスがけに挑戦してみてはいかがでしょう?
フローリングや家具、自動車などに使われるワックスは、「つや出し」と「コーティング」を目的に使われます。つまり、ワックスを塗る事によって視覚的な体裁が長期間保たれるだけでなく、フローリングを守る鎧のような役目も果たしているわけです。例えば、木で作られるフローリングの場合、その上に水を零してしまうと……ワックスをかけていない床には瞬く間に水が染みこんでしまいます。そうなったら、最悪の場合フローリングが中からカビに侵される可能性も。
他にも、素足で家の中を歩く人が居る場合などは、ワックスを塗る事で身体の垢が床にこびりつく事を防いでくれます。とにかく「床を守ってくれる」事が、ワックスを塗る必要性となります
一口にワックスと言っても、実は様々な種類があります。代表的なものは、油・ロウ・樹脂の3つです。しかしこのうち、油は無垢材(塗装されていない材木)に使われるものである為、通常居住空間のフローリングには使用しません。ロウは、水性ワックスとして一般に使用される場合もありますが、「水性」である為、水分によって剥離しやすく、また床が滑りやすくなるなどの欠点があります。この為、ロウのワックスも現在は一般的とは言えないようです。
つまり、一般的なワックスは「樹脂」を主成分としたものが大多数を占めるというわけです。
さて、樹脂を主成分としたワックスは、更に「アクリル樹脂」と「ウレタン樹脂」に細分化できます。アクリル樹脂は、塗りやすいけれど耐久性と柔軟性に乏しく、フローリングコーティングにはやや不向きとされています。
一方、ウレタン樹脂を主成分にしたワックスは、若干塗りづらさがあるものの、耐久性と弾力性が期待できます。一般的なフローリングに適しているのは、このウレタン樹脂ワックスと言えるでしょう。
ではいよいよ本番。ワックスのかけ方です。しかし、ワックスをかける前にも大事な作業がある事を忘れてはなりません。そう、「掃除」です。ワックスをかける部屋を、掃除機で念入りに掃除しましょう。もしホコリやゴミがワックスに付着し、そのまま乾いてしまったら目も当てられません。
また、作業を始める日の天候・時間にも注意が必要です。天候は微風(ゴミなどが風邪で飛ばされてこない為)・晴れの日(ワックスが早く乾く為)、時間帯はどんなに遅くとも『正午から2時間前』には始める事(時間がかかる作業の為)が薦められます。
天候・時間帯がベストで、掃除も終わり、最後にワックスがけに必要な道具(ワックス塗布用モップ・ゴム手袋・床用ワックス・バケツ1個・雑巾2枚以上・ワックス乾燥用の扇風機またはドライヤー)を揃えましたら、いよいよワックスがけです。
ワックスを塗る事自体は、薬剤を染みこませたモップを動かすだけですのでそう難しい事ではありません。むしろ、その事前準備と事後処理が肝心かつ難しいと言った方が良いでしょう。そして、最も大事なのがワックスをかけた後。一定の面積を塗ったら、すぐさま乾燥用の機器(扇風機・ドライヤー)を使って乾かします。これは、出来れば温風を出せるドライヤーが望ましいです。
ワックスがけの基本は1.塗る、2.乾かすという2つの作業の繰り返しになります。換気を心掛け、根気を胸に持つと尚良いでしょう。
以上、フロアコーティングのDIYで気をつけておきたい点でした。
とはいっても、ご自身の目的に適したフロアコーティングを行う場合は、プロに頼むのが確実だと思います。今回ご紹介した内容やご自身でも情報集めをしつつ、納得するコーティングができる施工会社様と出会える事が重要ですね。